矢印が表すのは「方向」だけ? |
■(1)方向 |
「矢印で表せるもの」と聞いて最初に思い浮かぶのはおそらく「方向」でしょう。
一方向にしか飛ばない、という矢の特性をもっともよく表す使い道です。
![]() フィーリングカップルは恋の方向を表す。 |
■(2)位置 |
矢印は位置を表すのにも日常的に使われています。
地図において目的地を表す、要チェックポイントには「←チェック!!」などと記す、といった例があります。
この使い道において重要なのは方向ではなく矢印の先端がどこにあるかなので、軸が曲がっていても特に問題はありません。
また、両方向を向いている矢印を用いて、「A⇔B」のように対応関係を作ることもできます。
Aの位置とBの位置がつながっているということですね。 また、あなたが今まさに使っているであろうマウスカーソルの矢印も位置を表すものです。 このマウスカーソルは左上を向いてはいますが、別に左上の方向に何かがあるわけではありません。 ![]() 位置を表す矢印の一例。矢の先端は必ずしも必要ではない。 |
■(3)軌跡 |
矢の軸部分を曲げることによってそれまで通ってきた道のり(軌跡)を表すことができます。
ただ、軌跡を表しているのは矢の軸部分であって、矢の先端は単に軌跡の方向を表しているだけなので、
「方向」と全く別物というわけではありません。
![]() 8の字ダンス。ハチだけに。 |
■(4)大きさ |
数学や物理を習った方なら「ベクトル」といった方が分かりやすいかもしれません。
例えば下図では、軸の部分が長い矢印ほど大きな力を表しています。
もちろんこの場合の矢印は「大きさ」とともに「方向」も表しています。
![]() 働きバチ再登場。赤い矢印が表す力は、2つの灰色の矢印が表す力に分解できます。 |
■(5)範囲 |
範囲を表す際に矢印が使われることもあります。
この使い方での矢印では「始点」と「終点」が重要であり、「方向」は必要ありません。
しかし、直線だと他の図形に埋もれてしまうため、両向きの矢印がしばしば使われています。
![]() モニターのインチ数は対角線の長さ。 |
■まとめ |
矢印の主要な用法を5つあげてみましたが、
この中の「軌跡」「大きさ」は「方向」の要素を多かれ少なかれ含んでいますし、
「範囲」は原則として両向きの矢印でしか表せないので、
矢印の用法として独立して加えるべきものではないかもしれません。 つまり、 矢印は「主に方向と位置を表す図形」 と言えそうです。![]() 様々な使い道を含んだ図。 2008.06.01掲載、2010.11.28修正
|